2人のユウト
地面は不幸なことにアスファルト。
ぶつけたら、痛いだろうな・・・。
そんなのんきなことを思いながら、前に倒れて行く私の体。
アスファルトとキスする直前。
お腹に、人の腕を感じた。
「・・・大丈夫ですか?」
頭良さそうな、優しい声。
「・・・幸菜様?」
え?
声の主に体を立たされ、主の顔を見る。
美夏の執事・椎葉さんに似た、優しそうな顔。
「に、新葉さん・・・?」
水門くんの執事・新葉さんだ。
「お久しぶりでございます、幸菜様。
大丈夫ですか?」
「あ・・・はい、大丈夫だと思います」
「もしかしてこれからどこかへ出掛ける途中でございましたか?
わたくしでよろしければ、お送りしますが?」
か、神様――――!