2人のユウト
人の少ない、2年4組近くの渡り廊下。
太陽の当たる、暖かい廊下に、同じく温かい笑みを持つ、私の彼氏が立っていた。
「おはよ、幸菜」
「おはよ、優斗。
ねぇ、掲示板見た?」
「勿論見たよ。
おめでとう、頑張ったもんね」
「優斗のお蔭だよ!
本当、前から助けられてばかりだね」
「僕の方こそ助けられているよ。
僕が出来ることといえば、勉強教えることしかないからね」
「ううん、優斗にしか出来ないことは沢山あるよ。
私の傍にいてくれる、それだけで良いの」
「・・・それ、別に僕以外でも出来ると思うよ」
「やだ!
優斗にしか出来ないことだもん!
ずっとずぅーっと、私の傍にいてほしい!」
「・・・ははっ。
良いよ。
でも、条件があるかな?」
「条件って何―?」
「幸菜こそ僕の傍にいてくれる?
ま、ストレートに言えば、将来結婚しようかってことだね」
けっ、けっけっけっ、結婚!?