2人のユウト




「そうでしたか。
僕は水門優斗(みなと・ゆうと)といいます。
よろしくお願いします」



「わ、私は日下幸菜です。
こちらこそよろしくね」




 にこっと水門くんは笑う。



 優斗か。



 漢字は違うけど、勇都くんと読み方一緒だなぁ。




 性格は正反対っぽいけど。




「ねぇ水門くん。
水門くんは、やっぱり校長の息子さんなの?」



「え?・・・そうですよ?
それが何か?」



「いや・・・。
やっぱり頭良いね。
私、頭悪いから、テストの度に困っているんだ」



「そうなんですか・・・。
・・・あの、この間のお礼として、
僕で良ければ、勉強教えますよ?」



「え?」



「僕、勉強しか出来ないので。
日下さんさえ良ければ、教えてあげますよ」




「良いの?」





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