2人のユウト





 私の心の叫びは空しく消えた。








「・・・ねぇ!離してよ!
私、何かしたかな?
この間見たことは誰にも言っていないよ!?
それなのに、どうして私連れて行かれているの!?」




「・・・うるさいなぁ。
大人しくしてくれない?」



 後ろを振り向いて笑う勇都くん。



 アテにならないな、この笑みは。



 気軽に信じられないよ。




「何か空いている場所ないの?
屋上とかさ」



「この学校は屋上への立ち入りは禁止されているんです。
諦めてください」



「はぁー?マジかよ。
じゃあ空き教室とかは?」



「空き教室はあります。
でも全てに鍵がかけられていると思います。
入り込むのは不可能でしょうね」



「何でこの学校自由ないわけ?
前の学校は空き教室あったし、屋上は出入り自由だったよ?」



「前の学校と同じに考えないでください」





< 78 / 368 >

この作品をシェア

pagetop