2人のユウト
私の心の叫びは空しく消えた。
「・・・ねぇ!離してよ!
私、何かしたかな?
この間見たことは誰にも言っていないよ!?
それなのに、どうして私連れて行かれているの!?」
「・・・うるさいなぁ。
大人しくしてくれない?」
後ろを振り向いて笑う勇都くん。
アテにならないな、この笑みは。
気軽に信じられないよ。
「何か空いている場所ないの?
屋上とかさ」
「この学校は屋上への立ち入りは禁止されているんです。
諦めてください」
「はぁー?マジかよ。
じゃあ空き教室とかは?」
「空き教室はあります。
でも全てに鍵がかけられていると思います。
入り込むのは不可能でしょうね」
「何でこの学校自由ないわけ?
前の学校は空き教室あったし、屋上は出入り自由だったよ?」
「前の学校と同じに考えないでください」