2人のユウト





「何しているの?」



 屋上の扉の前に立った勇都くん。



 押しても引いても開かない。



 当たり前だ、鍵が閉められているんだから。






 勇都くんはズボンのポケットから何故かヘアピンを取り出し、鍵穴に差し込んだ。



 何故男がヘアピンを持っている?




「俺、閉じ込められても抜け出せるように常にヘアピンを持っているんだ」



「閉じ込められることなんてあるんですか?
サスペンスじゃあるまいし」




「わかんねぇぞ?
人間いつドラマみたいに閉じ込められるか。

ま俺の場合、自由を手に入れるために持ち歩いているんだ。
前の学校でも屋上や空き教室の鍵をヘアピンで開けて使っていたからな」




 うわーめっちゃ問題児じゃない。



「俺は今まで何度もヘアピンで鍵を開けてきたからな。
鍵のかかった扉を開けるのは得意だぞ。

ちなみにヘアピンでないと俺の天才的な鍵開け能力は発揮できない」




 空き巣犯に将来ならないよう、気を付けてくださいね。





< 82 / 368 >

この作品をシェア

pagetop