君との距離、2歩分。
私の足元に落ちてきたのは、人の腕。
思わず叫んだ私を冷めた目で見ていた七世は、私から携帯を取り上げると
「……マネキンじゃん。」
と言って足元を照らした。
そこには七世の言った通り、マネキンの腕がごろんと転がっていた。
「あ……びっくりしたぁ…」
「小夏って本当昔からホラーだめだもんな。しかも怖がりのくせに見たがりだし。」
七世の言葉に安心していた私の耳に聞こえてきた小さな声。
―…『もっと小夏を怖がらせて!こんにゃくとかないの?』
『こんにゃくはベタ過ぎるんじゃない(笑)?』
と迷路の裏側でヒソヒソ声で話すメグちゃんと玲くん。
――…あのカップルの仕業か!!