君との距離、2歩分。
小夏の顔が引きつる。
そんな顔を見せられるのはすごく辛い。
「…私と七世は姉弟なんかじゃないよ!!だって七世のこと―…」
「言うな!!」
小夏の言葉を無理矢理遮った。
『何で?』って顔をしてオレを見つめる小夏。
何でって言いたいのは、こっちだよ。
何ですぐ諦めてくれないんだよ。
―…思ってもないこと言わないといけないだろーがよ。
「…年上とか、まじ無理。」
「…嘘でしょ?七世は…」
小夏のかすれた声。
声だけでも分かる。
これは泣くのを我慢してる時の声だ。
「千波留ちゃんの方が可愛いし。タメだから。」
小夏を冷たく見て放った言葉。
ここが暗くてよかった。
小夏の泣きそうな顔、見なくて済むから。