君との距離、2歩分。



「小夏ー!!」


「え、あ…はーい!!」



私の名前を呼ぶ声に振り返る。



突然の雨に騒然とする校内。


―…雨のせいで外のクラスが撤退を始めたんだ。




「陽大くん、私行くね!!」

「――…小夏ちゃん!!」



走り出した足を止めて、陽大くんの方を向いた。



すれ違うたくさんの人たちの中でやっと見つけた陽大くんの表情は苦しそうで。



「…っオレ…!!」


「小夏ー!!」




陽大くんの口の動き。



言葉の続きはメグちゃんの声で掻き消された。






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