君との距離、2歩分。
――ドサッ
近くでそんな音が聞こえて、オレたちの唇も重なった。
そしてほんの一瞬触れて、すぐ離した。
唇を離すと同時に開いた瞼。
だけど、オレは開かなければよかったんだと後悔。
「…こ…小夏…」
オレの視界に飛び込んできたのはカバンを落としながらも、こっちを見つめる小夏の姿。
「え…べ、別に見るつもりはなかったんだけど……」
苦笑いでうわずった声の小夏。
今すぐ立ち上がって
『誤解だ』って話して
千波留ちゃんにしたみたいに抱きしめてキス出来たらいいのに。
まさかの展開に、足が動かない。
.