君との距離、2歩分。
オレはとっさに嘘をついた。
「や?見てないけど。」
「じゃあ何見てたの?」
あやしいという顔の陽大。
「…校舎の色?」
「はいはい。中原先輩ね。」
オレの嘘は、すぐにばれてしまった。
まぁ、確かに校舎の色とか見てるヤツいねぇよな。
「…七世って中原先輩のこと好きなの?」
陽大のいきなりの質問。
「…はぁ!?」
オレが…
小夏を好き!?
「ありえねぇだろ。」
可能性としてもない。
だって兄弟を好きになるはずがない。
オレの答えを聞いたとたん嬉しそうな顔になった陽大。
「まじで!?」
「…当たり前じゃん。」
「じゃあ、中原先輩紹介して!!」
―…は?