君との距離、2歩分。
七世なんか嫌いになれたら楽なのに。
そしたら、こんなに苦しい思いなんかしなくて済むのに。
どう考えても、私の世界の中心は七世。
「……七世のために泣かないでよ。」
「…え?」
七世とは違う香りにフワッと包まれながら、背中に回ってきた腕。
洗剤?香水?
―…いや、そんなことじゃなくて
陽大くんの筋肉質な胸板が私の顔の前にあるよ?
声なんか耳のすごい近くで聞こえるし。
陽大くんの力強い腕に圧倒されてしまう。
「諦めようと思ってたけど、やっぱやめた。―…オレ小夏ちゃんが好き。」
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