君との距離、2歩分。



「…私の勘違いかな?」



抱きしめたままの小夏が、オレの腕を力を込めて握る。



「―…七世…本当は私のこと好きでしょう?」




――…2ヶ月前からずっと我慢してた。



小夏に触れたら


想いを伝えたら


もう後戻りは出来なくなるから。



今更はち切れそうな程、大きくなったこの気持ちは無かったことになんて到底出来ない。




―…でも伝えてしまったら?


オレの言葉が小夏を縛りつけることになるんじゃねぇの?


小夏はその中でもがいて


新しい人を好きになる。




優柔不断なオレには想いを伝える権利すらないんだ。




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