君との距離、2歩分。



「…七世だって人のこと言えないよ。」



気付くと、私は静かに反論していた。


…いつもは楽しいニケツ。


七世の一生懸命、自転車を漕ぐ姿を後ろから見るのが好きだった。



でも今は…


七世といるこの空間が苦しくてしょうがない。




「―…は?どういう意味だよ、それ。」



すごい音で止まった自転車。


七世が自転車を止めて、私の方へ振り返った。


その顔には怒りというより、イライラしている。



何にイライラしてるの?



考えて行動しない今日の七世はこれじゃまるで―…



「……子供だね。」




.
< 224 / 327 >

この作品をシェア

pagetop