君との距離、2歩分。
拳を握る力が強過ぎて、爪が痛いくらい食い込む。
七世の顔が上手く見れない。
「―…っ…もういい!」
「小夏!逃げんな!!」
背を向けて歩き出そうとした私の腕を強い力で七世が掴んだ。
「…離してよ…」
「嫌だ…」
「じゃあ何で推薦のこと隠してたの!?」
「―…嫌われたくないからに決まってんだろ!」
―…嫌われたくないから?
そんなことあるわけないのに。
私にも『頑張ってね』って七世の背中を押す器があればいいのに。
1番子供なのは、私。
そんなのわかってたのに。
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