君との距離、2歩分。
「…謝んないでよ。減るもんじゃないんだし……」
私は無理矢理、顔の筋肉を吊り上げて笑った。
…うん、大丈夫。
ちゃんと笑えてる。
私は自分の気持ちに嘘をつくことしか出来ない。
七世の『ごめん』で、はっきり確信しちゃったよ。
私が七世の彼女になることはないって…
―…このキスだって、何の意味もないんだもんね。
でも、これだけは言える。
私は初めての相手が七世で嬉しかったんだよ。
例えそれがからっぽのキスでも。
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