君との距離、2歩分。
「―…七世くん、推薦受かったってー!!」
自分のことのように喜んでるのは私のお母さん。
嬉しそうに跳びはねている。
「…誰から聞いたの?」
「七世くんのお母さん。回覧板回しにいったときに聞いたのー」
「ふーん……」
私はダイニングの椅子に腰掛けて遠くを見つめた。
…本当に受かったんだ…
さすがだな……
「て、ことで今日は北川さん御一家と『七世くんおめでとうパーティー』だから♪」
――…今、何て言った?
北川さん御一家と…
七世くんおめでとうパーティー?
「…む……無理無理。」
「え?何で!?」
スーパーの袋からじゃがいもを取り出しながら、疑いの眼差しで私を見るお母さん。
何でって……
七世に会いたくないんだもん…
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