君との距離、2歩分。
澄んだ空気に冷たい風。
暗い夜を私の真っ白な息が霧のように白に染める。
私は公園のベンチに腰掛けて空を眺めた。
でもさっきから、パカパカと携帯を開く手が止まらない。
待受画面を気にしてる私。
七世からのメールか着信を心のどこかで期待してるんだ。
…残念ながら携帯の鳴る様子は一向にないけど。
「―…中原先輩?」
ふーと溜め息をついた私に掛けられた声。
聞き覚えのある少し高めの女の子らしい声の持ち主は―…
「…千波留ちゃん……」
公園の目の前にあるコンビニの袋を下げて、ピンクのマフラーを巻いた千波留ちゃんだった。
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