君との距離、2歩分。



少し明るい茶色の入った焦げ茶色の髪をなびかせて、千波留ちゃんは私の元へ走り寄ってきた。



「…どうしたんですか?そんな薄着で……」



…確かに。


学校の冬服にコートを羽織っただけの私の格好。


いつもならベージュのセーターも着てるんだけど、家で脱いじゃったからな……


そして下は黒のハイソックスにローファー。



…かなり寒い。


マフラーも巻いてないってとこが痛い失敗だったと思う。



「…プチ家出?」


「え?家出したんですか?」



潤ったまつげの長い目がある綺麗な顔が心配そうに私を見る。


……可愛い……



女の私でも惚れちゃうよ…




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