君との距離、2歩分。
私は隣の千波留ちゃんに視線を移した。
俯いて、足元を見る千波留ちゃんはどことなく悲しそうに見える。
いつ別れたのか知らないけどやっぱ元カレとは会いづらいよね……
もしかして千波留ちゃんもまだ好きなのかな…?
「いいよ!自分で帰れるから!!」
「あ、おい…小夏―…」
―――ピッ
七世の言葉を遮って、私は電話を切った。
別に本当に来てほしくなかった訳じゃない。
理由は私の心が狭いから。
七世を千波留ちゃんに会わせたくなかったってだけ。
私はもう七世には関係ないのに。
諦めるって決めたのにね。
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