君との距離、2歩分。
七世は私の隣に座った。
少し上がった肩でする息が私の胸を熱くする。
「何で今日、家にいなかった?」
直球の質問。
『七世のこと諦めようと思ってもう会わないつもりだった』なんてもちろん言える訳なくて。
私はただ黙ることしか出来なかった。
「…もしかして……オレのこと…嫌いになった?」
「―!違…っ……」
そんなのじゃない。
嫌いになれないってことは自分でもよくわかってるもん。
慌てて見た七世の表情は―…切なそうな、泣きそうな表情で。
「…七世?」
俯く七世のことが、初めて弱く見える。
――…そんな顔、しないで。
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