君との距離、2歩分。



「…オレがいなくても、遅刻しないで学校行けよ?」


「……行けるよ。」


嘘。行ける訳ないじゃん。


―…私は七世と一緒に学校に行くために遅刻しないようにしてるのに。



「朝も寝坊すんなよ?」


「…携帯のアラームで起きれるもん。」


―…私は七世に会うために毎朝、目を開けてること知ってた?



「本多先輩にもあんま迷惑かけないよーに。」


―…前は七世がメグちゃんには優しいから嫉妬したこともあったっけ。



「夜更かしもすんなよ?お前は徹夜したら、次の日はずっと寝るから。」


―…その日は七世と夏休みの宿題を徹夜でしたんだよね。




―…あ、ほら。


また再度、七世のその笑顔にあんたがいなくちゃ生きていけないって確認させられたよ。



七世のその笑顔を見る度に、私は苦しくなる。


私なんか置いて、さっさと北高でも何でも行けばいいのに。


好きな子のところに会いにいけばいいのに。




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