君との距離、2歩分。



「………ないの?」


「…だって……だもん。」


目の前の曲がり角から、誰かの話す声が聞こえる。


所々聞こえないけど、多分男と女の声で。


…なんか男の方の声、陽大の声っぽくね?



「……………だよ。」


「……陽大くん……」



あ、今。


陽大くんって言った。



オレの足は、陽大のいる曲がり角に向かって歩き出した。




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