君との距離、2歩分。
小夏の細い腕を掴む。
「……え?」
びっくりした表情の小夏がゆっくりと顔を上げた。
「…オレといんの、嫌?」
冷静な表情で聞くと、小夏は首を横に振った。
「じゃ、立って。」
「……ん。」
グスンと鼻をすする小夏が目をこすりながら立ち上がる。
―…陽大とどんな話したら、こんなに泣くんだよ。
そんなことが少し気になったけど今はまだ聞けない。
「―…あ、七世。」
小夏の手を引いて、立ち去ろうとするオレを陽大が呼び止める。
「……何。」
そう言ったオレの耳元に手を当てて、ぼそぼそと陽大は喋る。
「お前、早く告れよ!」
「……は?」
「時間がねぇことは自分でも分かってるんだろ?」
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