君との距離、2歩分。
時間がないことは、自分でもよく分かってる。
いくら嫌がっても、時間の流れを止めるのは不可抗力に等しいことで。
考えたくないけど、出発はもう…明後日。
「―…言えてたら、こんなに苦労してねーっつの。」
そんなオレは陽大に力ない微笑みを向ける。
「…は?200円の賭け、忘れんなよ?」
陽大はそれだけ言うと、オレの肩をポンと叩いた。
隣には、きょとんとして状況のつかめていない小夏の姿。
はー……
…オレはいつになったら、コイツに気持ちを伝えることが出来るんだろう。
…どうすれば、この溝は埋められるんだろ?
こんな風に腕を掴んでるだけで緊張してるのは、かなり小夏にはまってる証拠だと思う。
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