君との距離、２歩分。

オレは、自分の発していない声に思わず顔を上げた。



顔を上げた先に映ったのは申し訳なさそうに苦笑いを浮かべる小夏の姿。



「…ごめん、嘘。」


「………嘘？」


「そう。七世がいなくなる前にドッキリに引っかけようと思っててさ！」



―…これは…小夏の嘘？


いまいち頭がついていかないオレは、混乱状態。



「予想外の反応だったから、私も焦っちゃったよー」


目の前の小夏は、どこか楽しそうにけらけらと笑い続ける。



その様子に―…


オレは、本気で小夏に対する脱力感と苛立ちを感じた。




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