君との距離、2歩分。
それだけ思うと、光を遮断するように目をきつく閉じた私。
少しずつまどろみの中へ陥っていく、その横で携帯が鳴った。
「……ん……?」
重い瞼を持ち上げると、視界に入ったのは煌めく携帯のランプで。
着信を知らせるように青く点滅していた。
「………はい。」
その携帯を手に取って、電話に出る。
電話の向こう側で喋るのは―…
「…あ、小夏ちゃん?」
紛れも無く、聞き覚えのある陽大くんの声だった。
.