君との距離、2歩分。
…七世に会うのは、苦しい。
七世が離れていくのも、苦しい。
でも―…
「いい訳ないじゃん!」
七世に会えなくなるのは、その何倍も苦しい。
…やっぱり、私は自分の気持ちに嘘ついて七世が行くのを待ってるのは無理だもん。
「…ほらね。」
陽大くんの少し笑いを含んだような声が、電話越しに聞こえる。
「3番ホームの電車だからさ。会いに来てくれる?」
「……うん。」
陽大くんには見えないのに、全力で首を縦に振る私。
…2時まで、あと30分。
急がなきゃ…
私は部屋着のジャージのまま、猛ダッシュで家を飛び出した。
ここから、駅まで車で15分。
走ったことないから、何分ぐらいかかるかわかんないけど、間に合わせなくちゃ…
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