君との距離、2歩分。



―…1時53分。


「…電車、予定時間より早めに到着するってさ。」



駅のアナウンスと携帯を交互に見ながら、陽大が言った。



「……へー…」


「小夏ちゃん、遅いね?」



同じことを何回も繰り返すように言う陽大。


…オレを挑発してんのか?


もうイライラが振り切れそうな程、我慢の限界が近付く。



「……だから、小夏は来ないって言って…」



―――♪


雰囲気を壊す音。



オレが言葉を言い終わらない内に携帯がメールの着信を告げた。



渋々ながらも、携帯を開くオレ。


……どーせ…


くだらないメルマガか何かで―…





「………………」


「七世、どーした?」




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