君との距離、2歩分。
電車の出発が近いことを知らせるアナウンスの音。
急いで駆け込んで行く人たちに紛れてオレも電車の中へと…
「―…七世!」
その足が止まる。
オレの名前を呼ぶ声は……小夏の声?
懲りずにオレの目は、また小夏の姿を探す。
耳が声のした方向を探す。
頭は小夏に言いたかった言葉を必死に考える。
「…七世!」
もう1回、その声が響いて。
背後からしたように聞こえて、オレはとっさに振り返った。
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