君との距離、2歩分。
―…オレが振り返った、その先にいたのは…
紛れも無く、苦しそうに肩で息をする小夏の姿で。
精一杯になりながら走ったのか、額から伝う汗。
春の陽気の中で、この量の汗はそう簡単にかけるものじゃない。
「…本当に来た…」
驚きと嬉しさが交じり合うオレ。
素直に嬉しい。
こんなに必死になってまで来てくれるとは思ってなかったから。
こんな状態で打ち間違いなんかしない方が無理だ。
「…小夏…」
オレが言いかけた途端―…
目の前のドアが徐々に閉まり始めていって……
焦る小夏の表情。
本気でヤバいと思った。
……オレが何とかしないと…
でも、どうやって…?
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