君との距離、2歩分。
そんな七世が可愛くて。
でも、言ってることはかなりかっこよくて。
嬉しいのに、私の目からはなぜかまた涙が溢れ出した。
「…ほら、また泣く。」
「だ…だって…」
「やっぱりオレは、まだガキだからさ…上手く言えねぇけど…」
小さな声でぼそぼそと呟くように話す七世。
まだ照れてるんだ…
「絶対、大きくなって帰ってくるから…待っててくれる?」
七世の子犬みたいな表情。
…待っててもいいの?
そんなこと言われたら、七世をずーっと待ってるよ?
こんな女、ウザくない?
待ち続けても私は七世の重荷にならない?
私は無言で大きく頷いた。
「……他の人、好きになったりしたら許さないからね…」
「…うん。まぁ、小夏だから好きなんだけどね?」
そっか、そっか…
年下のくせに先を歩いてると思っていた七世。
だけど七世からしてみれば、私が先を歩いてるように見えていて。
お互いが、お互いの背中に追い付こうと必死だったんだ。
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