君との距離、2歩分。
「…早く行くよ!」
乗せてもらう立場だから、あんまり文句は言えない。
そして、いつものように自転車のカゴに自分のカバンを入れていた時―…
「…メアド…陽大と交換したらしいね。」
後ろから、七世のいつもより低い声がした。
―…メアド?
もしかして昨日のこと?
「あぁ…うん。陽大くんとでしょ?」
「オレが紹介するって言ったときは、嫌がってたのに矛盾してんね。」
七世は、こっちを見ずに自転車に跨がりながら言う。
…何かおかしくない?
七世…怒ってるの?
「あはは…七世…怒ってんの?」
「いや?怒ってないけど?」
……おかしい。
絶対キレてる。