君との距離、2歩分。
怒りを一生懸命抑えるオレに、母親の最後の一撃。
「あ、家には入れないから。」
「てめー…ふざけんなババァ!!」
「もう出発の時間だから行かなきゃ。じゃあねー♪」
「―…はぁ!?おいババァ…切んな…!!」
―――ブチッ
虚しく響く機械音。
家に入れないオレは、自動的に小夏の家へ泊まること決定って訳かよ…。
「…お母さんと喧嘩したの?」
千波留ちゃんが苦笑いを浮かべながらオレに尋ねる。
…悪いけど、今それどころじゃないんだけど。
「…ごめん、帰んなきゃ。また今度!」
「―…ちょっ…七世!?」
後ろから聞こえる千波留ちゃんの声を無視して、チャリ置き場に走った。
―…今ならまだ間に合うかもしれねぇ。
力ずくでも家の中に入ってやる!!