君との距離、2歩分。




七世が言い終わらないうちに聞こえてきた玲くんの声。



「あ、はーい!じゃ七世…」



そう言って走り出そうとした私に



「あの人…誰?」



と七世が腕を掴んだ。



「あの人って…玲くんのこと?」



七世の顔を見ると、ふてくされたような表情を浮かべている。



「小夏ちゃーん!メグが怒ってるよー!!」



もう一回聞こえてきた玲くんの声。



メグちゃんが怒った…?



その言葉にあせった私。



「ごめん!七世、行かなきゃ!!じゃ、またね!!」



「あ、おい―…」




私は七世に背を向けて振り返らずに走り出した。







< 94 / 327 >

この作品をシェア

pagetop