君との距離、2歩分。
七世が言い終わらないうちに聞こえてきた玲くんの声。
「あ、はーい!じゃ七世…」
そう言って走り出そうとした私に
「あの人…誰?」
と七世が腕を掴んだ。
「あの人って…玲くんのこと?」
七世の顔を見ると、ふてくされたような表情を浮かべている。
「小夏ちゃーん!メグが怒ってるよー!!」
もう一回聞こえてきた玲くんの声。
メグちゃんが怒った…?
その言葉にあせった私。
「ごめん!七世、行かなきゃ!!じゃ、またね!!」
「あ、おい―…」
私は七世に背を向けて振り返らずに走り出した。