恋哀
仕草
「はぁ…。」
あたしは外の景色を見ながらいった。
今は6月。
あたしの嫌いな梅雨の時期。
今日も当たり前のように雨が降っている。
雨の音は好きだけど、雨は嫌い。
はぁ…。
今日もそらが泣いてる。
あたしの心にも…。
「オイ!」
「オイ!中田!」
「はいぃぃ!?」
あたしはびっくりして飛び上がる。
「ここの問題解いてみろ」
「………………わかりません。」
「ちゃんと話聞いてろ」
「は……い………。」
「まぁいい。座れ」
―カタン―
また先生は話し出す。
あぁ、またやっちゃったよ。
ほんとなにしてるんだろ。
恥ずかし。
中田智花 中2
頭悪いけど、授業中は話ききません。
だって眠いし。
いっつもおこられるんだよね。
まぁあたしが悪いんだけどね(笑)
―トントン―
肩を叩かれ我にかえる。
「あれ何て書いてるかわかる?」
「えっ?どれ?」
拓斗……。
あたしの幼なじみ。
『ヒューヒュー!』
まただ。
もういいや。
クラスのみんなはあたしと拓斗をはやし立てる。
あたしと拓斗が話してると、いつもこうなる。
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