ボクの歌姫
「雨、結構降ってきたね?」
「ああ。」
「今日はありがとう。私のこと薦めてくれてうれしかった。」
「あ、うん。」
「……笑斗くん?」
笑斗くんの返事が素っ気ないから、
私は、傘の取っ手を持ってる腕の横から
笑斗くんの顔を覗き込んだ。
「うお!?」
「笑斗くんどうしたの?何か考え事?」
「あ、いや何つーかその…」
「うん?」
「腹…減った。」
笑斗くんは照れ隠しなのか、少し拗ねたように呟いた。