ぽんぽんぼん
「なーにー?悩み事なら聞いてあげるけど?」
テーブルに頬杖をつき、ニヤついてそう言ってくる海は何だか楽しそうに見える。
っていうか、
「めちゃくちゃ上から目線だな、海よ!」
私、お姉ちゃんなんですが!
「えー、だってお姉ちゃんよりは上だと思ってるから」
「言い切った!」
「そりゃ、言い切るよ」
「お姉ちゃんなんですが!」
「知ってるけど」
さらっとそう言い切ってしまう妹が怖い。
毎度ながら思うが、海の中でのお姉ちゃんの位置が低すぎる!
「そうですか……」
ガクッと肩を落としてそう口にする私を見てクスクス笑う海。
いや、もういいよ。毎度の事だからさ。
もういっその事、ズバッと海に聞いてしまおうかな。
「じゃあさ、海はキスとかしたことある?」
彼氏は居るって言っていたけど、中学生でキスはちょっと早いか?
そう思っていた私の考えはあっさりと覆される。
「キスくらいした事あるけど。お姉ちゃんと違って」
キ、キキキスくらいとか言ってるよ!この子!
恋愛レベルの差が見える……。
「だよね。彼氏の雅人君だっけ?」
海の答えに動揺しているのを悟られない様に平静を装ってみるも、無理矢理に笑った口角が引き釣っているのが分かる。
しかしそんな私の嘘臭い笑いに気付いていないのか、海は唇を尖らせる。
「雅人は元カレ。今は健次」
…………元カレ!?
「ハッ!?」
思わずテーブルに身を乗り出して声をあげる。