ぽんぽんぼん



「あらあら。それは良い報告が出来て良かったわ。良いわね、家族皆でお墓参り」



最初はふんわり笑っていたのに、少し切なそうな顔をして最後の言葉を紡ぐ彼女は今までの明るいイメージとは少し違っていて。


つい思った事を口に出してしまった。



「えっ!梶木君は!?」



そう私が言った瞬間、彼女の顔が切なそうに歪む。



きっとこれは聞いちゃ駄目な質問だったんだ。



そう思っても、既に言ってしまったものを無かった事に出来る訳もなく、彼女の切なげに歪む顔を見て答えを待たないといけないという現状。


私まで胸が痛くなる。


目尻を下げて苦笑いを漏らす彼女は見ていて痛々しいとさえ思ってしまう。



「颯太はここには来ないのよ」



まるで自分に言い聞かせる様に紡がれるその言葉。



やっぱり、……あの質問はしちゃいけなかったんだ。



「そう…なんですか」



無理矢理笑顔で相槌を打つ私は、端からみたらどんな顔をしているんだろうか。


ちゃんと笑顔で誤魔化せている?


そうじゃないと、更に彼女が顔を切なげに歪める気がするんだ。



兎に角、今の話題には触れない様にと別の話を振る位しか私には出来ない。



「あっ、今日はお盆に用事があるからとかでお墓参りですか?」



無理矢理話題を変えたのがバレバレだったのか、彼女はクスクスと笑い声を漏らす。


その彼女の笑顔にほっと胸を撫で下ろした。



この話題は聞いちゃいけないものじゃなかったんだ。


……良かったぁ。


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