ぽんぽんぼん



これは、5年前の一昨日と同じ日付の新聞だ。


この日は夏祭りのあった日らしい。


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午前中にも関わらず、多くの人で賑わっており、今年の夏祭りも大盛況を納めそうだ。


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そんな記事が載っている。


画面をスクロールさせながら、一つ一つ見逃さない様に記事を確認していく。


が、この日は朝刊にも夕刊にも私が探していた記事は載っていない。


ドキドキと鳴り続ける心臓を左手で押さえて、ふうっと息を吐く。


いつもならこれで気持ちが少しは軽くなるのだが、今日は何も変わらない。


右手でカチッとマウスをクリックすれば、次は5年前の昨日の新聞に画面が変わる。



もし、……もし私の考えが当たっていたら載っている可能性が高いのはこの新聞だ。



スクロールする手が小刻みに震える。


見たくない。でも、見なくちゃいけない。


さっきと同様に一つ一つ確認していた時、一つの記事の見出しに目が止まる。


ゴクッと息を呑んでその記事へと目を走らせる。


マウスの上に乗せている手が震える。



いや、手じゃなくて、……肩が震えているんだ。


頬を伝う冷たい感触は汗じゃなくて涙で。


目から溢れ出てくる涙を止めることなんて出来ない。


私は、……肩を揺らして泣いているんだ。



だって、……だって、


私の考えが、……当たっちゃったんだよ。


それに、……こんなのって…あんまりだよ。


こんなのって、……神様、酷過ぎるよ。


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