ぽんぽんぼん



心がキシキシと音を立てて軋んでいく。


そのまま潰れてしまいそうだ。



今の私には顔を両手で覆い、声を圧し殺しながら泣き続ける事しか出来そうにない。



いつもなら落ち着く図書館の静かな空間が、今だけは私の泣き声や悲しささえも消してしまう程、騒がしかったらいいのに。



そう思ってしまう。



現実っていうのは、思っている以上に残酷だ。










どれ位パソコンの前で泣いていたのかよく分からない。


ただ、図書館から外に出た時に見た時計は午後2時を指していた。


朝から来ていたのにだ。


図書館まで自転車に乗って来ていた為、自転車置き場に置いていた自転車に跨がる。



今日はいっぱい泣いた。


だから、…泣いたから、……次へ進まないといけない。


一番辛いのは私じゃないから。


私には聞かなきゃならない事がまだ残ってる!



グッと奥歯を噛み締めると、思い切り自転車のペダルを踏み込んだ。


流れる景色を堪能する余裕なんか全然無い。


はあ、はあ…と切れ切れになっている息遣いすら気にならない。


ただ目的地へと向かって自転車を漕ぐだけ。



昔ながらの家屋の前に着くと、いつもの様に自転車を停める。


駄菓子とだけ書かれたの看板が目に入るのはいつもの事。


でも、今日はいつもの様にぽん菓子を買いに来たんじゃない。


今日は、駄菓子屋のおばあちゃんに聞きたい事を聞きに来たんだ。


例えそれが、私なんかが足を踏み入れていい様なものじゃなくても。


気付いてしまった私は、聞かなきゃならないんだ。


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