ぽんぽんぼん



さっきまで私に引っ張られる様に少し後ろを歩いていたのに、気付いたら私の隣に並んでいる梶木君。


不意に彼の腕を掴んだままだった事を思い出しそっと手を離す。


が、その瞬間、ふわっと私の指先に当たる温もりに目を見開いて梶木君を見つめた。



「杉浦さんと本当に仲良いよね」


「うん!はるるんは頼りになるんだよ」


「あっそ。良かったね」



何て事のない会話なのに、私の心臓は爆発するんじゃないかって程に凄い速さで脈打っていて。


顔は逆上せ上がったという位熱い。


私を一気にこんな状態にさせたのは紛れもなく梶木君だ。


そっと視線を手元に落とすと、梶木君の手に包まれる様に握られている私の手が目に入る。


自然にふわっと繋がれているその手が恥ずかしいやら嬉しいやらで。


ああ、私。梶木君の事好きだなぁ。って本気で思う。


梶木君はいつか絶対に私の心臓を壊してしまう気がする。いや、違うか。……壊して欲しいって思ってるんだ。


その『いつか』が来ない可能性は凄く高いから。



自分の考えに一人眉をひそめた時、梶木君の声が掛かった。



「そういえば今日の服」



そう言って私の服装を下から上へと品定めをする様に目を動かす彼にドキドキと心臓を鳴らす。



「に、似合ってる!?」



梶木君の視線が気になり過ぎて、フライング気味に問い掛けたのは失敗だったらしい。


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