ぽんぽんぼん
思い切り自分勝手な行動な訳だが。
「良かったけど。だって森山さん嬉しそうだし。それにもう入ったんだから今更出るなんて出来ないでしょ」
梶木君がふわっと優しく微笑んでそう言ってくれるのだから、気になんてしない方がいいのだろう。
彼の言葉に甘えて、
「そりゃそうだ!」
そう納得した様に振る舞う。
テーブルに頬杖をついて「そういう事」と言う梶木君はさっきと変わらずに微笑んでいるから、私の行動は間違っては無かったって事だ。
注文が終わり最近の他愛もない事を話していると、お待たせいたしました!という声と共に目の前に置かれるこの店一押しのビッグパフェ。
その名もジョッキ入りビッグパフェ。
ビールジョッキに盛られているからというそのままの名前な訳だが。
自分の目の前に置かれたアイスコーヒーには目もくれず、ポカーンと口を開けてジョッキ入りビッグパフェを見つめる梶木君。
すうっと息を吸い込んだと思ったら、
「でかっ!」
と大きな声をあげる。
どうやらこのパフェは梶木君の予想以上に大きかったらしい。
「ビッグですから!」
そう答える私は何も間違った事は言ってない。
名前にもビッグと書かれているのだから、大きくて当たり前なのだ。
寧ろビッグと書かれているのに想像より小さかったらガッカリした気持ちになる。