ぽんぽんぼん
そこまで拒否しなくても……。
「お姉ちゃんの生活も楽しいと思うよ!」
妹の余りの拒否具合にそう言っている私は結構必死だ。
身体を変わりたいと言い出したのは自分だが、それはこの頭痛を変わって欲しいってだけで、生活その物を変わりたいとは思ってない訳で。
そんなに妹に否定される程私の生活は酷くない。寧ろ、満足度は高い方だと思う。
が、そんな事よりもなによりも海が口にした言葉に目を丸くした。
「えっ、だって私お姉ちゃんみたいに馬鹿になれないし、無理!」
「姉に向かって何ちゅう言い種だい、海」
完全に馬鹿にされてる。
私、……姉なのに!
愕然としている私を放置しながら、更に海の言葉は続いていく。
「それに、雅人に会えなくなるし」
ま、雅人!?
「雅人って誰さ!?」
「彼氏だけど」
「か、かかか彼氏!いるのっ!?」
「いるけど」
さらっと答える我が妹。
負けてる。完全に負けてるよ、私。
姉の面目丸潰れだ。
いや、その前に面目とかあったのかも謎だが。
「早くない!?」
「別に普通」
特に考える素振りも無くそう答えられてしまうって事は、本当に海の周りでは普通なのかもしれない。
私の友達は彼氏のいる子ですら、少数なのに。
時代の流れ?環境の違い?2年の違いがこんなに出るとは思わなかった。