ぽんぽんぼん



「お姉ちゃんだって、いつもぽん菓子の甘い香りを漂わせてる梶木君と同じクラスだしね!」



妹に負けてられるか!という無駄にメラメラと燃え上がった対抗心故に私の口から出たその言葉に海が首を傾げる。



「彼氏なの?」


「違うけど」


「それ、嬉しいの?」


「とてつもなく嬉しいけど。ぽん菓子の匂いだよ!」



梶木君から香る匂いを思い出してにこっと微笑む私とは違い、そんな私に嫌そうな顔を寄越してくる海。


そして、海が恐る恐るという雰囲気で口を開く。



「家でぽん菓子の袋に顔突っ込んで嗅いでるのと同じ様な事してないよね?」


「えっ、してるけど」



梶木君の胸に鼻を埋めて匂いを嗅いだりしてるけど。



「変態」


「な、何でさ!?」



蔑む様な目を向けてボソッとそう言われるのは、何だか梶木君本人に言われているみたいな感覚に陥る。



「いや、もう変態意外の言葉が見付からない」


「酷っ!」



叫ぶと同時にズキッと頭に響く痛み。



「うっ……、叫んだら頭に響いた…」


「馬鹿な姉」



再び頭を押さえてふらついた私に向けられたその言葉。


海と梶木君は似てると思う。


いや、そっくりだ!


二人共、私の心を容赦なくグサグサと刺してくるんだ。







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学校へと来たものの、やっぱり不調なこの身体のせいか、今日は動く気がしない。


机に突っ伏して、たまにくるズキズキとする頭の痛みに耐えるのみだ。


薬の効きは余り良くないらしい。


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