ぽんぽんぼん
イベントって、……私の恋はそんな感じですか。
いや、はるるんなら私が恋の泥沼に嵌まっても楽しみそう。
はるるんがお母さんみたいっていうのは、撤回だ。
「面白そうなですかい!」
『そうよ。だって他人の恋愛話程面白いものは無いわよ』
「そうなの!?」
『そうなのよ』
一先ず突っ込んでみたが、はるるんの口先に上手く丸め込まれた感がするのは、気のせいだろうか。
人の恋愛話は確かに女子の会話の定番だから、つい納得してしまった気がする。
私も自分の恋じゃなかったら囃し立てたりするかもだし。
いや、絶対するな。
ふうっと息を吐くと、その息遣いがはるるんにも聞こえたらしい。
またクスクスという笑い声が聞こえる。
『まっ、せいぜい好かれる様に頑張りなさい』
「そこからっ!?」
そんなに初歩的な所からですかっ!
『でしょ?』
そう聞いてくる声音だけで、はるるんが今ニヤッと意地悪に笑っているんだろうと想像が付く。
でもまあ、間違ってはないのかも。
私、梶木君に好かれてる気は一切しないもん。
寧ろ、彼から私への矢印は嫌われ方面に向いている。と思う。
「ですね」
苦笑いをしながらそう言葉を紡ぐと、ぼふっと枕へと顔を埋めた。