ぽんぽんぼん



イベントって、……私の恋はそんな感じですか。


いや、はるるんなら私が恋の泥沼に嵌まっても楽しみそう。


はるるんがお母さんみたいっていうのは、撤回だ。


「面白そうなですかい!」


『そうよ。だって他人の恋愛話程面白いものは無いわよ』


「そうなの!?」


『そうなのよ』



一先ず突っ込んでみたが、はるるんの口先に上手く丸め込まれた感がするのは、気のせいだろうか。


人の恋愛話は確かに女子の会話の定番だから、つい納得してしまった気がする。


私も自分の恋じゃなかったら囃し立てたりするかもだし。


いや、絶対するな。


ふうっと息を吐くと、その息遣いがはるるんにも聞こえたらしい。


またクスクスという笑い声が聞こえる。



『まっ、せいぜい好かれる様に頑張りなさい』


「そこからっ!?」



そんなに初歩的な所からですかっ!



『でしょ?』



そう聞いてくる声音だけで、はるるんが今ニヤッと意地悪に笑っているんだろうと想像が付く。


でもまあ、間違ってはないのかも。


私、梶木君に好かれてる気は一切しないもん。


寧ろ、彼から私への矢印は嫌われ方面に向いている。と思う。



「ですね」



苦笑いをしながらそう言葉を紡ぐと、ぼふっと枕へと顔を埋めた。


< 71 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop