ぽんぽんぼん



どうしたの?と思ったのも一瞬で、


「森山さんって、ほんとムカつくよね」


真顔で言われるドストレートなその言葉に目を丸くして口を開いた。



「何で!?」


「馬鹿だからに決まってるでしょ」



結局そこに辿り着くのか!



「馬鹿はムカつくの!?っていうか、馬鹿ではありませんが……」



思わずぷうっと頬を膨らませると、膨らんだ左頬を梶木君の人差し指にツンッと押される。


と、同時にぶぅーっと情けない音をたてながら口から息が漏れ出ていく。



「森山さんって、馬鹿だよ」



真剣な表情で私と目をしっかり合わせてのその発言。



「そんな諭す様に言われる感じですかっ!」



その口調でいくと、何度も言ってるけど…と更に言葉が続きそうだ。


こういう時毎度ながら思うのだが、机に頬杖をついて私を見る梶木君は、私と目線の高さが同じ筈なのに何故か見下ろされている様な感覚にさせられる。



「そうだけど。あっ、馬鹿は馬鹿でも馬鹿正直よりかもね」


「馬鹿正直?」



その言葉がしっくり来なくて首を傾げる。



私、結構嘘も吐くけど?


お腹減ってるのに、減ってないから大丈夫とか。足首捻っても痛くないとか。


何だろう。……無駄な強がりが多いけど。



「私、正直者でもないよ。嘘吐くし」


「嘘ねぇ。それ、バレバレな嘘なんだろうね」


「えっ!バレバレ!?」



バレバレってどういう事?


梶木君には何でもお見通し的な?


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