ぽんぽんぼん
そう頭の中で考えているのが分かったのか、呆れた顔でふぅっと息を吐く梶木君。
「森山さんって、こっちがビックリする程気持ちが顔に出てるよ」
気持ちが顔に出てる……
「でえぇぇぇぇえっ!嘘っ!?」
慌てて両手で顔をおさえる私へと向けられる蔑んだ視線。
それと同時に「ほんと」と呟く様に言われてしまっては、もう梶木君のその言葉が嘘だなんて言えない。
机に身を乗り出し、梶木君にグイッと顔を近付けて口を開く。
「ど、どうしたら直るかな?」
「直らないね」
切実な悩みにそう淡々とした口調で答える梶木君は、やっぱり梶木君だ。
崖から一気に突き落とされた気分だよ。
「何…で?」
「だって森山さん馬鹿だからね。哀れ」
フッと鼻で笑う梶木君は鬼だ。
いや、分かってたよ。……結局はこう言われるって。
分かってたけど、胸が痛過ぎる!
何か分かんないけど、胸の中の何かが千切れた!
ブチッて千切れましたが。
ガクッと肩を落とすと共に机にべたっと顔を俯せる。
「ショ、……ショッキング事件です」
「残念馬鹿事件だよね」
「酷っ!梶木君、今の言葉は胸に突き刺さりましたが!」
ガバッと顔を上げて梶木君の顔を見れば、ニヤッと片方の口角を上げて笑っている。
梶木君、……どす黒いですが。
「そりゃ良かった。突き刺したからね」
「わざとっ!」
黒っ!めちゃくちゃ黒いよ!
「当たり前でしょ」
私は梶木君の言葉に傷ついてるのに、彼は楽しいと言わんばかりに意地悪そうに笑う。