彼は、魔法使い
しかも、ケープまで入ってるし。


あたし、、、


スタイリストだったはずなのに、カットなんてホント全然してなかったなぁ。


「やっぱ、流石元・スタイリストさんですね?」


いつの間に戻って来たのか、奈々ちゃんはあたしの荷物の中を除く。


あれ、、、?


「そういえば、奈々ちゃん。なんで、あたしがスタイリスト辞めたの、知ってるの?」

「來都が、おじさんのお店がなくなった時。「芹香の奴、スタイリスト辞めるかもなぁ」って、言ってたんですよ」


なんで來都は、知ってたんだろう。


「そしたら、こないだ。「やっぱ芹香の奴、本当に辞めた」って。あたし、ずっと芹香さんに、学生時代はカットとかしてもらってたじゃないですか?」


そういえば、そうだった。


「だから、パリに行っちゃった時。正直、凄く嫌だったんですよね~。芹香さんは、あたしの専属のスタイリストだったから」


そんなことを、奈々ちゃんが思ってたなんて、知らなかった。

< 116 / 343 >

この作品をシェア

pagetop