彼は、魔法使い
「ごめん、ね?」

「いいえ。芹香さんの代わりにおじさんが、あたしのカットをしてくれるようになったんで」


奈々ちゃんの髪を、お父さんが、、、


「でも、そのおじさんもスタイリスト辞めちゃって。だから、もう1年くらいかなぁ?カラーもカットも、何もしてないんです」


奈々ちゃんは、そう言って自分の髪の毛を見る。


1年もカットもしていないのは、本当のようだ。


毛先が痛みまくって居て、見た目はツートンになっているように見えるが、、、


本当は、ただ染めていなかっただけだったんだ。


「ねぇ、奈々ちゃん。カット、してあげよっか?」

「え?」


奈々ちゃんは、驚いたような顔をする。


「時間が時間だから、カラーは出来ないけど」


あたしは笑って、言う。

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