彼は、魔法使い
「あの、、、」


志麻さんが困ったように、來都に声を掛ける。


志麻さんは、來都のことをお客さんだと思っているようだ。


「テスト受けに着たんだけど、カットモデルなってよ」


來都は志麻さんのことをスルーし、あたしに言う。


あんたには、礼儀ってモノがないわけ?


「志麻さんが話してるじゃん」

「そういえば、、、」


そういえば、じゃないわよ!!


「志麻さんって言うの?俺、お客さんじゃないんだ。来週からここで働くことになった、スタイリストの來都です」


なんて、爽やか笑顔を志麻さんに向ける。


この、エセ紳士が!

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